「先生、新聞に面白い記事がのってたから持ってきたよ。」
そういって先日、当院に通院してくれている患者さんが
こんな新聞記事を持ってきてくれました。
この記事によると、
糖尿病で病院に通院していた60代男性患者さんが
コロナ禍で運動することが減ってしまって体重がきになって
最近になって運動を再開。
そのかいあって糖尿病はいい状態を保てているけど
本人は「運動しているのに体重が一向に減らないんです」と
気にしている。
でもアメリカで行われた実験によると
運動量が少ない人に比べると
週150分以上の有酸素運動だけを行う人で29%
週2日以上の筋力トレーニングだけを行う人でも11%
死亡率は低くなっていて、
さらにその両方を行っているひとでは40%も死亡率が
低下していたという結果に。
疾病別に見た場合、
心血管病、がん、慢性肺疾患でも同様の結果が見られた。
更に記事によると、ダイエットのために運動したとしてもその結果は
体重を2%減らす程度とされている、というデータもあるそうで。
それでも運動は慢性疾患の予防や治療に効果的だし
このように死亡率を減らし寿命を延ばすので
たとえ体重が減らなくても運動は効果的なので続けることを
オススメします、と説明されその男性患者さんが
「運動は意味がないのでは、と考え始めていたので
それを聞いて安心しました。頑張って続けます」とおっしゃっていた。
という内容の記事でした。
(産経新聞記事より)
当院でも運動指導をしていますが、よくこの男性患者さんと
同じ場面に遭遇します。
数カ月前当院に来院されたFさん(40代 女性)
運動を始める前は、朝起きた時から体が重くて
肩は常に凝るし、頭痛もしょっちゅう出て
おまけに最近太もも周りが太ってきたのかズボンがあがりにくい、
と悩まれていました。
当院で運動をして
これらすべての症状に改善がみられFさん自身も
「最近ズボンがスッてはけるんです♪
それに朝起きても調子いいし肩こりも仕事をして
夕方になったら疲れてくる感じで
朝来たら元気なんで、すごく調子よくて、、
でも体重はあんまり変わらないんですよね、、、」と少し落ち込んだ口調に。
気持ちはよく分かります。
この患者さんが運動することで得られた結果は
いまのところ感覚的なものばかりで
目に見える数字ではないので、
出来ることならより明確に
数字で結果が欲しい!
そのほうがもっとやる気にもなるし、自信もつく。
しかし、この新聞記事にもあったように
ダイエットのために運動したとしても
その効果は体重を2%減らす程度といわれています。
一般的に考えると、動きまくれば体重は減る、と考えがちですが
人間は機械ではないので、そんな単純なつくりにはなっていません。
そもそも体重というのは大枠の数値であって
その中には筋肉量、体脂肪などさらに細分化できます。
体重よりもむしろこの筋肉量と体脂肪のバランスの方が
大切です。
例えば、同じ50キロの人が2人いたとして
Aさんは筋肉量34%・体脂肪30%
Bさんは筋肉量36%・体脂肪20%
だったとすると、体重が50キロでも見た目と中身は全然違います。
体重が低ければ健康的かというと一概には言えないということです。
また体重に影響を与えるのは運動だけではありません。
食事や嗜好品など口から入ってくるものも同様にみていかなければ
そんなに簡単に体重は減りません。
体を見直していくとき、どうしても指標にする【体重】ですが
からだを変えていくときは、
「目に見える変化」と「感覚的な変化」の両方を
みていくようにしなければいけません。
でないと、せっかく体の調子はよくなってきているのに
体重が減らないからということにだけで判断して運動をやめてしまったら
調子がよくなっていた状態も全てパーに・・
逆に数字で記録しておくことで、数カ月単位でみてみると
緩やかでも体重が減ってきていたり
あるいは維持できていることに気が付ける材料になり
今している運動や食生活が間違っていない、という1つの証拠になります。
一生付き合っていかなければいけない体なので
体重の増減だけに一喜一憂せずに、気持ちにゆとりをもって
長いスパンで自分の体の変化を感じ取っていけるといい結果に
つながりやすくなるのではないでしょうか。
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てるてる鍼灸接骨院